
蓄電池って高いよね…。ほんとに元取れるのかな

初期費用はかかるけど、電気代0円生活も夢じゃないよ
こんにちは!
オフグリッド(電気代0円生活)ってロマンですよね!
前回のブログでご紹介した「電気代ゼロプロジェクト」。
今回は、太陽光パネル10kWを設置したうえで、以下の3つのプランの中で【最もコスパが良いのはどれか?】を比較してみました。
比較する3つのプラン
プラン①:蓄電池なし
プラン②:蓄電池10kWh
プラン③:蓄電池25kWh(10kwh蓄電池+15kwh格安蓄電池)
プラン④:格安蓄電池25kwh
結論(先に知りたい方へ)
コスパ順は④>③>①≒②。
特に④(格安蓄電池25kWh)は圧倒的に経済効果が大きく、電気代ゼロも夢ではありません。
ただし、工務店の協力やシステム構築の工夫が不可欠です。
格安蓄電池は↓を想定しています。
今回の記事は数字多めです。最後の電気代・売電収入の15年間比較表を確認していただければ結論がわかりますので結論だけ知りたい方はこの表を先に確認してみてください。
シミュレーションの前提条件

基本情報
まずはシミュレーションの前提条件です。
私の場合、高性能住宅を建てたいと思っているので断熱等級7を前提にしてみました。
項目 | 値 |
---|---|
家族構成 | 4人 |
住宅仕様 | 延べ床面積32坪、断熱等級7(超高断熱) |
電力供給 | オール電化(調理・給湯・冷暖房) |
太陽光発電 | 10kW(年間発電量 約11,000kWh) |
蓄電池容量 | 10kWh(太陽光で日中充電、夜間使用) |
電力単価(自家消費換算) | 30円/kWh |
売電単価(1〜4年目) | 24円/kWh |
売電単価(5〜15年目) | 8.3円/kWh |
蓄電池の効率 | 約90%(充放電効率) |
家庭の年間消費電力量 | 約9,540kWh |
試算期間 | 15年間 |
電力量の時間帯別の分類(年間合計 9,540kWh)

太陽光パネルの発電している時間と発電していない時間での各家電の電力消費量です。
後で計算で使うために昼と夜で消費電力を分けています。
家電・設備 | 発電時間帯 (8時~16時) | 非発電時間帯 (16時~翌8時) | 備考例・時間帯傾向 |
---|---|---|---|
給湯(エコキュート) | 1,470kWh | 1,470kWh | 深夜沸き上げ(タイマー)+昼間の追い炊き |
冷暖房 | 300kWh | 570kWh | 主に夕方~朝の稼働が多い |
調理 | 1,080kWh | 720kWh | 昼・夜の比率6:4程度 |
照明・TV・PC等 | 500kWh | 1,180kWh | 照明は夕方~夜、TVは分散 |
冷蔵庫 | 375kWh | 375kWh | 常時稼働・比率50:50想定 |
洗濯・乾燥 | 630kWh | 270kWh | 昼の使用が多い(主婦・在宅ワーカー想定) |
その他(待機電力) | 300kWh | 300kWh | 常時稼働 |
合計 | 4,655kWh | 4,885kWh | ほぼ50:50に近い構成 |
静岡県の晴天率(年間)
これも太陽光の発電量を計算するために後で使います。
私の住んでいる地域の晴天率を持ってきました。
地域 | 晴天率(年間平均) | 晴天日数の目安 | 備考 |
---|---|---|---|
沼津市・東部 | 約60% | 約210日/年 | 富士山の影響で夏はにわか雨あり、冬は快晴が多い |
パターン① 蓄電池あり(10kwh)の場合

1日を通しての蓄電池の運用方法は以下を想定。
1. 日中
- 太陽光で発電した電力を自家消費(照明・家電など)し、余剰分を蓄電池に充電
- 残った余剰分は売電
2. 夜間
- 蓄電池から電力を放電し、自家消費に利用(可能な限り電力会社からの購入を削減)
蓄電池で削減できる電力(年間)
- 年間太陽光発電:11,000kWh=10kw(搭載パネル量)×1100(一般的な係数)
- 自家消費(昼間):4,655kWh
- 年間の夜間電力必要量 4,885kWh
年間の蓄電池への充電量 10kw×365日=3,650kwh
曇りや雨の日を考慮して晴天率60%、加えて充電ロス率0.9を考慮
3,650kwh× 60% × 90% = 1,971 kWh
4,885kWhの必要量のに対して1,971 kWhが蓄電池から使えると想定 - 売電:11,000kWh-4,655kWh-1,971 kWh=4,374kWh
15年間の自家消費電力
年間の自家消費量から15年間(蓄電池の保証期間)でどれくらいの電気料金が節約できるかを求めます。
区分 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
昼間の自家消費 | 4,655kWh × 30円 | 139,650円 |
蓄電池での夜間自家消費 | 1,971 kWh× 30円 | 59,130円 |
年間合計(自家消費) | 139,650円+59,130円 | 198,780円 |
15年間合計(自家消費) | 198,780円×15年 | 2,981,700円 |
ここで横道に外れますが15年間で蓄電池で得する電気代(夜間での自家消費量の総量)を朱書きの数字を使って計算すると 59,130円×15年=886,950円
・・・こんなに安い蓄電池ってありますかね?この時点で蓄電池って元が取れないのでは?と推測。
15年間の売電金額
年度 | 単価(円/kWh) | 売電量 | 売電収入 |
---|---|---|---|
1〜4年目 | 24円 | 4,374kWh | 104,976円 × 4年 = 419,904円 |
5〜15年目 | 8.3円 | 4,374kWh | 7,611円 × 11年 = 399,344円 |
15年間合計(売電) | 819,248円 |
15年間の節約効果(劣化考慮)
太陽光・蓄電池ともに年0.8の劣化率(ざっくり15年平均)で調整
項目 | 内容 | 金額(15年間) |
---|---|---|
自家消費電力 | 2,981,700円×0.8 | 2,385,360円 |
売電 | 819,248円×0.8 | 655,398円 |
15年間で得する電気代 | 3,040,758円 |
15年間の買電
先ほどと同様の計算です。
- 年間の夜間電力必要量 4,885kWh
- 年間の蓄電池充電量 10kw×365日=3,650kwh
晴天率60%、ロス率0.9を考慮
3,650kwh× 60% × 90% = 1,971 kWh - 買電が必要な夜間電力: 4,885kWh-1,971 kWh=2,914kwh/年
2,914kWh× 30円×15年=1,311,300円
15年間の電気代トータル 3,040,758円-1,311,300円=1,729,458円
これらの数字は後で表にまとめるので今はふーん位で流してください。
パターン② 蓄電池なしの場合

運用方法
- 蓄電池がないため、日中で自家消費できない6,345kwh(11000kwh-4,655kWh )を売電に回す
15年間の売電
年 | 売電量 |
---|---|
1〜4年 | 6,345kwh × 24円 = 152,280円 → ×4 = 609,120円 |
5〜15年 | 6,345kwh × 8.3円 = 52,663円 → ×11 = 579,298円 |
15年間合計(売電) | 1,188,418円 |
15年間の節約効果(劣化考慮)
項目 | 内容 | 合計 |
---|---|---|
自家消費分(昼) | 4,655kWh × 30円 × 15年 × 0.8 | 1,675,800円 |
売電収入 | 1,188,418円×0.8 | 950,734円 |
15年間で得する電気代 | 2,626,534円 |
15年間の買電
- 年間の家庭消費電力量:9,540kWh
- そのうち夜間電力は4,885kwh
年間買電量:4,885kWh×30円×15年=2,198,250円
15年間の電気代トータル 2,626,534円-2,198,250円=538,944円
パターン③ 蓄電池を25kwh 電気代を0円にした場合

蓄電池を大容量化して電気代を0円とした場合、基本料金の1,716円/月(東電の従量電灯B 60Aプランを想定)は支払う必要がありません。この前提も後で表にまとめますのでこれも今はふーんと読み流してください。
必要な蓄電池の量を算出
そもそも電気代をすべて太陽光×蓄電池でまかなうにはどのくらいの蓄電池の容量が必要かをざっくりみてみます。
- 年間の夜間電力必要量 4,885kWh
- 4,885kWh/0.9=5,428kwh(ロス率0.9%)
5,428kwh/365日≒15kwh(1日に必要な夜間電力)
15kwh/0.6≒25kwh(曇りや雨の日を想定。晴天率60%を考慮)
私が尊敬してやまない温熱設計の鬼、松尾和也先生も30kwhあればオフグリッドに近づけるよねと言っていたのをどこかで見た記憶が。。。おぼろげです。近い数字が出たと思います。
変更する前提条件
蓄電池を25kwとした時の前提条件をまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
蓄電池 | 25kwh(※2) |
電気代基本料金 | 500円/月程度(※1) |
売電 | 0円(昼間以外に余剰が出にくい) |
※1 万が一のことに備えて基本料金0円の新電力に切り替えて月々の買電を500円前後として計算。追い蓄電池をされた一条工務店の施主様がこの位の電気料金で生活していますね。
※2 以下の①②を組み合わせを想定
①10kwh蓄電池+ハイブリッドパワコン(価格は200万円が相場)
②15kwh格安蓄電池+ハイブリッドインバーター+分電盤 (価格は60万円で想定)
構成の詳細(妄想)は別途記事にまとめます。
参考に②の60万の内訳を載せておきます。
格安蓄電池の想定コスト(参考)
項目 | 概算費用(円) |
---|---|
ハイブリッドインバーター | 150,000 |
リン酸鉄リチウム蓄電池(15kWh) | 250,000 |
分電盤・配線工事 | 200,000 |
合計 | 600,000 |
注:価格は参考値であり、実際の費用は機器の選定や工事内容によって異なります。
バッテリーは5年保証もついている↓の物を想定しています。
アマゾンより公式サイトの方が全然安い商品です。
LiTime 48V100Ah 5Kwh バッテリーが最も大容量のバッテリーです。
LiTime 48V3000W ハイブリッド インバーターと合わせればオフグリッドに近づきそうです。


一応アマゾンのリンクも貼っておきます。
15年間の節約効果(劣化考慮)
項目 | 内容 | 合計 |
---|---|---|
15年間で得する電気代 | 9,540kWh × 30円 × 15年 × 0.8 | 3,434,400円 |
15年間の買電
15年間買電量: 500円/月× 15年 =90,000円
15年間の電気代トータル 3,434,400円-90,000円=3,344,400円
パターン④ 格安バッテリーのみでの運用
パターン③の蓄電池をすべて格安電池にする方法です。
ただし、この構成のデメリットは売電(緑線)が出来ないという事です。
現状、電気会社への系統へ接続できるJET認証を取得しているハイブリッドインバーターは存在しません。今後出てきてくれることを願います。
バッテリー代が5kwh(15万)×5個=65万(25kwh)
トータルの想定費用は↓の通りです。
安蓄電池の想定コスト(参考)
先ほどの計算から格安蓄電池の容量を変更して合計を出しています。
項目 | 概算費用(円) |
---|---|
ハイブリッドインバーター | 150,000 |
リン酸鉄リチウム蓄電池(25kWh) | 650,000 |
分電盤・配線工事 | 200,000 |
合計 | 1,000,000 |
注:価格は参考値であり、実際の費用は機器の選定や工事内容によって異なります。
電気代・売電収入の15年間比較表

それぞれのパターンの合計金額をリスト化しました。
+が収入で-が出費です。
設備はソーラーパートナーズのサイトからおおよその相場価格を持ってきています。
項目 | ソーラー+電池 なし | ②ソーラーのみ | ①蓄電池10kWh | ③蓄電池10kw+格安蓄電池15kw | ④格安蓄電池25kw |
---|---|---|---|---|---|
自家消費 | 0円 | +1,675,800円 | +2,385,360円 | +3,434,400円 | +3,434,400円 |
売電 | 0円 | +950,734円 | +655,398円 | 0円 | 0円 |
買電 | -4,293,000円 | -2,198,250円 | -810,000円 | -90,000円 | -90,000円 |
基本料金(※) | -308,880円 | -308,880円 | -308,880円 | 0円 | 0円 |
合計経済効果 | -4,601,880円 | +397,404円 | +1,921,878円 | +3,344,400円 | +3,344,400円 |
太陽光10kw | 0円 | -2,000,000円 | -2,000,000円 | -2,000,000円 | -2,000,000円 |
蓄電池 | 0円 | 0円 | -2,000,000円 (10kw) | -2,600,000円 (10kw+15kw) | -1,000,000円 (25kw) |
補助金 | 0円 | 0円 | +500,000円 | +500,000円 | 0円 |
収支 (導入費との差) | -4,601,880円 (基準値) | -1,602,596円 (+2,999,284) | -1,578,122 (+3,023,758) | -755,600 (+3,846,280) | +344,400 (+4,946,280) |
※ 従量電灯B 60A契約
バッテリーは先ほどの↓を想定しています。
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考察
比較リストから以下のことがわかりました。
・蓄電池10kwhの①は設備費用が高く太陽光パネルのみの②の場合と収支がほぼ同じ
・蓄電池10kwh+格安蓄電池15kwhの③は経済効果がかなり大きい
・格安蓄電池25kwhの④は圧倒的に経済効果が大きい(売電出来ないにもかかわらず!)
数字のお遊びとなりますが売電が出来るパターン③でさらに収支を改善させたい場合
・蓄電池の容量を10kw→5kw 容量減で-60万位
容量が減ると補助金も減る +20万程度
・格安バッテリーの容量を15kwh→20kwh 容量増で+9万
-60+20+9=31万位は収支が良くなり最終的な収支は
-755,600円 → -445,600円
などさらに収支がさらに良くなるかと思います(希望)
ただし、パターン③は通常の分電盤と格安バッテリーとを繋ぐ分電盤を分ける必要がありますので対応力のある工務店である必要があります。そのような工務店の見つけ方はこの記事を参照ください。
まとめ|電気代0円を目指すなら「格安大容量バッテリー」が最強

今回のシミュレーションから、以下のポイントが見えてきました。
- ①の蓄電池10kWhでは、設備投資に対して効果がやや弱く、コスパは△
- ②の蓄電池なしでもそこそこの効果が出るが、当然電気代は0円にはできない
- ③④の25kWhの大容量蓄電池を導入すれば、電気代ゼロ化が現実的!
特に、格安バッテリー+ハイブリッドインバーター+新電力契約という組み合わせにより、初期費用を抑えつつ最大限の経済効果を得ることが可能です。
業者目線で蓄電池や太陽光を進める業者系Youtuberが多いですがこういった格安蓄電池を使った提案は施主系Youtuberに多い気がします。選択肢を広げる為にもいろいろなポジションの方々の意見を聞き取捨選択をする事はとても重要だと思います。
今回はざっくりとした素人シミュレーションではありますが、おおよその価格差のイメージをつかむには十分かと思います。この記事が、あなたの電気代削減の参考になれば幸いです。
それではまた次回!


