
間取りが入るかどうかも分からないのに、1週間で土地購入を決めろって不動産屋に言われた。これって普通なの??

そんの無茶な話が分譲地では“当たり前”のように行われています。事前に準備してしっかり対策していきましょう!!
こんにちは。
間取りも決まっていないのに「1週間で契約を」なんて、正直おかしいと思いませんか?
ところが、分譲地購入ではこれが当たり前。
なぜ日本では買い手にここまでのスピードを要求するのか?
海外との比較や制度の違いからその理由を調べました。
そして、そんな無茶に備えるための現実的な対策もご紹介。
この記事を読めば、土地探しで「慌てて決めて後悔」なんてことにならずに済みます。
納得して決断するための知識を、今から身につけておきましょう。
狙っていた分譲地がそろそろ出るタイミング
最近、狙っていた分譲地がそろそろ情報公開されるのでは、と思い、今日もいつもの不動産屋さんを訪ねました。
もちろん、前回の教訓を生かし、狙っている土地の周辺はすでに下見済みです。
実際の現場の写真。ホントにここに家建つの?そんな感じでした。

ですが今回の分譲地は、周囲を同じ不動産会社が開発した分譲地で囲まれており、私たちにとってはとても好条件。
我々が狙うこういった大型分譲地はこの辺りでは2カ所しか存在しないという事でした。
2年間土地を探してきましたが確かにその通りだと思います。
ぐぬぬ・・・欲しい。。。
土地寸法の確認が目的だったけど……
前回訪問した際に、この分譲地の引き渡し予定日を教えてもらっていたため、そこから逆算して「そろそろ案内があるはず」と嫁が予想し、今回も足を運びました(嫁すごい!)
事前情報には道路間口などの寸法がなかったため、検討中の間取りが入るかどうかを確認したかったというのも今回不動産屋を訪れた理由の一つです。
しかし、結論としては土地関連の寸法の情報はまだ出せないとのこと。
ただ、価格と区画図については「明日チラシが届く予定なんですが」と言いながら、先行で見せてくれました。
申し込み開始は約4週間後を予定しているとのことでした。
足を運んでよかったです!
申し込み前からライバル多数?
全15区画のうち、すでに13組が検討中とのことでした。
「えっ、そんなに?」という驚きと、「それって本当?」という疑いの気持ちが。。。
不動産屋さんの“煽り文句”かもしれませんが、それでも嫁の不安は止まりません。
「ほかの人に取られちゃうかも」と心配が止まらず、この後、少し大変でした……。
しかも、申し込み開始日の具体的な日付については教えてもらえませんでした。
何度もしつこく尋ねたものの、「こういったやり取りの中で後々申し込み日をお伝えします」との回答。
つまり、「頻繁に足を運んでもらえれば、いずれ教えますよ」というニュアンスのようです。
それを聞いた嫁は「じゃあ毎週通う!」と宣言。
私は内心、「電話じゃダメなのかな……」と思いましたが、素直に従うしかないか、と。
即日で間取り検討できる体制が必要な理由
というわけで、早速いつもの設計士さんに連絡を取り、今回の希望区画に希望の間取りが収まるかどうかを見てもらう必要が出てきました。
ただし、区画図だけでは検討が難しい気もします。
とはいえ、土地の申し込みから契約までの猶予がたった1週間しかないため、こういった先行検討をしておかないと間に合わないのも事実です。
検討猶予が1週間って短くない?

数千万円という大金が動く意思決定を、何でこんなに急かされながら下さなければいけなの?
これって、ちょっと異常では?と思い、いろいろと調べてみました。
海外ではどうなの?
アメリカ
- 購入決断までの猶予:数週間
- 「オファー(購入申込書)」を出した後、売主が受諾すれば「契約締結」になります。
- その後、買主は「買付キャンセル条項(contingency)」付きで契約できるため、検討・交渉・住宅診断などを進めながらキャンセルも可能。
- 通常、契約締結からクロージング(決済)まで30〜45日間あるため、実質的な意思決定は柔軟。
イギリス
- 購入意思表示(Offer)から契約まで:数週間〜数ヶ月
- オファーが受理されても「交換契約(Exchange of contracts)」まで法的拘束力なし。
- そのため、買主側は調査やローン審査の期間を確保できる。
- 交換契約まではキャンセル自由なので、じっくり検討可能。
フランス
- 申込書(Offre d’achat)提出から契約まで:数週間
- その後、公証人による「仮契約(compromis de vente)」締結
- 仮契約後は10日間の法定クーリングオフ期間(rétractation)が保証されており、理由なく解約可能。
- 本契約まではさらに1〜3か月かかるのが一般的。
ドイツ
- 購入希望者が現れた後、売主・買主で価格交渉をじっくり進めるスタイル
- 公証人による契約締結までは何週間もかけることが多く、即断はほとんどない
- 法的拘束力が生じるのは「公証契約」以降なので、それまでの間に慎重な検討が可能
日本の「1週間ルール」が短く感じる理由

- 「申込書」提出=購入意思の表明と見なされる
- 一般的には7日以内に契約するかどうかの返答が求められる
- しかし、日本では契約前にクーリングオフ期間やキャンセル自由期間が存在しない(原則)ため、申し込み=事実上の決断となる
- 土地が人気で「取り置きできない」という理由から、時間をかけられないことが多い
各国の猶予期間まとめ
海外と比べても日本の異常さは際立っていますね。。。
国・地域 | 契約までの猶予 | キャンセル自由期間 | 決断の柔軟性 |
---|---|---|---|
アメリカ | 数週間 | 有(条件付き解除) | 高い |
イギリス | 数週間~数ヶ月 | 有(交換契約まで) | 非常に高い |
フランス | 数週間 | 10日間(法定) | 高い |
ドイツ | 数週間~1ヶ月以上 | 有(契約まで自由) | 高い |
日本 | 約1週間 | 原則なし(契約後は困難) | 低い |
なぜ日本では土地購入の猶予期間が短いのか?
① 分譲開発のスピード重視
- 不動産業者は「購入申込書」が入ると、他の購入希望者への案内をストップします。
- 長くホールドすると他の購入機会を失うリスクがあるため、業者としては早く白黒つけたい。
- つまり業者は全区画を素早く「申し込み済」状態にしたい。
- 結果として詳細図が出る前に「申込後1週間以内に決めてください」という慣習ができた。
ポイント:
購入意思を示したらすぐに判断してもらわないと、他の客に回せない=「機会損失」
日本での土地売買は圧倒的に売り手市場なんですね。。。
② 日本には「オファー → 契約」の中間ステップがない
- アメリカやヨーロッパでは「オファー」後に住宅診断・ローン審査・交渉などを挟む猶予期間がある。
- 一方日本では、「購入申込書」→「すぐ契約」の二段階しかなく、契約までの検討ステップがない。
- つまり、日本では申込=本気の決断、と見なされる。
ポイント:
仮契約やキャンセル条項といった“クッション”が制度的に存在しない。
一体何の圧力があるのやら。。。
③ 人気エリアでは「取り置き」ができない事情
- 特に都市部や人気の土地では「迷っている間に他の人に取られる」ことが多い。
- 業者も「早い者勝ち」スタンスで売るため、買主側にも即決を求めがち。
- 申込書提出から1週間以上回答を保留すると、「やる気がない」と判断されるリスクも。
ポイント:
高需要・低供給な市場ではスピード勝負。慎重に検討する時間が奪われがち。
急かされながらの家づくりはホント嫌ですよね。。。
④ 住宅会社との分業構造
- 土地は「不動産会社」、建物は「工務店・ハウスメーカー」。
- 土地→建物の順であり連携をとった土地、建物の同時検討が出来ない。
なんでこんな理不尽な売買形態が成立しているんだろうか。。。
なぜ猶予期間が短いのか?理由まとめ
要因 | 内容 |
---|---|
不動産業者の都合 | 長期ホールドを避け、次の買主へすぐ動きたい |
手続きの単純構造 | オファー → 契約の2ステップでクッションがない |
市場の競争性 | 人気物件では“早い者勝ち”で判断を急かされる |
昔からの分業制 | 土地、建物の同時検討が出来ない。 |
土地の寸法が開示されて1週間で契約

さらに新規分譲地では以下の様に状況が悪化します。
(すでにある土地では発生しない問題です)
【現状】
- 分譲地では「申込開始日」にようやく区画ごとの寸法や形状が明らかになることが多い。
- 一方、販売側からは「申込から1週間で契約判断してください」と言われる。
- つまり、希望の家(間取り)+外構がその土地に入るかを1週間で決める事になる。
これがほんとにヤバい状況だと思うんですよね。
【実態】
1週間で下記を判断するのは極めて困難です:
- 間取り(生活動線)や建物の配置計画
- 高低差・法面・擁壁などの造成状況
- 建築条件(建ぺい率・容積率・斜線制限など)
- 駐車場や庭スペースの確保
- 太陽光の方位・日射条件
- 近隣環境や上下水道、電柱の位置 など
何の用意もせずに申し込み書にサインをするのは後悔することになりそうです。
実際、これはユーザーにとって理不尽なスケジュール
- 高額で一生に一度の買い物なのに、「間取りが入るか」は“後出しジャンケン”。
- 建築士や設計士の専門的判断を入れて検討しようにも、図面がそろわずに判断期限。
- 結果、「えいや!」の決断になり、後悔の温床に。
対策・打開策

方法 | 内容 |
---|---|
① 土地探しと並行して「希望間取りのモデル」を持っておく | 土地を見た瞬間に「入りそうか」を概算判断しやすくなる |
② 建築士に「ラフ検討」を即日依頼できる体制を作る | 判断精度が圧倒的に上がる |
③ 分譲地販売会社に「申込期間の延長」を依頼 | 交渉力が必要だが、交渉次第で+3日〜1週間程度の猶予が得られる場合も |
①は土地が決まらないと間取りは書けないと言う工務店もありました。
そういった工務店や設計士には
「私達から要望をヒアリングして1週間で間取り、外構計画ができますか?」
と聞いてみましょう。
②はこの記事で最も言いたかったことです。
こちらの記事を参考に工務店へこちらの要望をしっかり伝えて本問題に対して対策しておきましょう!
まとめ
分譲地購入は「1週間で契約判断」というスピード感が求められます。
しかしその間に、家族の希望を反映した間取りや配置、高低差、法規制、外構までを確認するのは至難の業です。
だからこそ、「土地情報が出たらすぐに間取り検討に移れる体制」を事前に整えておくことが非常に重要。
設計士さんと継続的に相談できる関係を築き、不動産屋さんにもこまめに足を運んでおくことで、チャンスを逃さず、後悔のない土地選びができます。
海外と比べて検討時間が圧倒的に短い日本では、「情報を取りに行く努力」+「即日判断できる準備」が理不尽なスケジュールに打ち勝つカギです。
備えあれば憂いなし、ですね!